当法人(言葉のかけはし)の紹介

理念


「聞こえない世界」の正しい理解を常識にし、聞こえの共生社会を共に創る。

 

聞こえない人たちは、古くから一定数いるのにもかかわらず、未だに多くの誤解や軽視が続いている現状があります。

そして、75歳以上の5人に2人、全体で見ると、何と10人に1人が難聴であるにもかかわらず、難聴の正しい理解が知られていません。

 

この誤解や軽視のため、多くの子どもたちの挑戦が制限されてしまい、それは大人になってからも続きます。

老年性難聴になれば、一番頼りたい家族から敬遠され、孤立してしまうケースも多くあります。

 

どちらも非常に悲しい出来事です。

 

私たちは、聞こえない世界の正しい理解を常識にし、

聞こえない子どもたちが、安心して自分の力を伸び伸びと発揮できるように、

また、聞こえないことを家族が理解し、変わらずあたたかい家族関係を継続できるよう、

聞こえの共生社会をつくるため、多くの仲間と共に道を拓きます。

 

聞こえに関して、誰もが過ごしやすい社会を目指します。

 

 

「言葉のかけはし」の由来


聞こえない人たちがぶつかる様々な課題は、一言で言うと、「コミュニケーションが取れない」ということであると言えます。

 

しかし、実際はコミュニケーションを取る方法はあります。

コミュニケーションを取るには”言葉”が必要ですが、

言葉とは、言語であり、手話であり、ジェスチャーであり、絵であり、音楽であり、表情であり・・・

様々なカタチがあります。

難しかったり、コツが必要なこともありますが、簡単にできることもあります。

 

その様々な”言葉”をつなぐ橋をかけていくために当団体は活動します。

 

私たちがずっとつなぎ役をするよりも、私たちがいなくても橋があれば自由に行き来ができます。

 

そんな橋を多くの場所にかけていきたいと思い、名付けました。

活動について


理念実現のための具体的活動

・難聴の啓発(幼保園・小学校等各教育機関、地域等への難聴啓発講座、聞こえない子と聞こえる子の交流会等の実施)

・聴覚障害を持つ小・中・高・大学生へ仕事の夢を拡げ、将来生きる力を育てるキャリア支援(総合学習・講座・個別就職相談)

・聴覚障害を持つ求職者への就職支援(セミナー・個別相談)

・聴覚障害を持つ人が働く企業向けのキャリアサポート、採用サポート、難聴理解講座

・聴覚障害を持つ子どもの家族へ、勉強会や個別相談

 

活動を進めていく上で、理念実現のために必要な取り組みがあれば、随時加えていく予定です。

 

これらの活動は、啓発的な活動が多くなるため、趣旨に賛同して頂ける個人の方からのご寄付、法人とのスポンサー契約で運営させていただいております。

法人概要


法  人  名: 一般社団法人言葉のかけはし

 

設  立: 2021年10月

 

代表理事: 岩尾 至和

 

事業内容:難聴の啓発,難聴の小中高大学生、転職者の就職・キャリア支援,聴覚障害に関する法人支援 ,難聴の子を持つ家族の支援

 

所  在  地:福岡市博多区

 

連  絡  先:お問合せよりご連絡ください

実績


【学校・園】

<アニメで知ろう!難聴講座(児童向け・生徒向け)>

舞鶴幼稚園,博多東幼稚園

福岡雙葉小学校,那珂小学校,南片江小学校,周船寺小学校,引津小学校,粕屋中央小学校

(沖縄)北谷小学校,具志川小学校,比屋根小学校,北玉小学校

東前原中学校,福岡雙葉中学校,

<難聴学級向けキャリア学習講座>

引津小学校

東前原小学校

<先生向け難聴理解講座>

南片江小学校

友泉中学校

小倉聴覚特別支援学校

<その他難聴理解講座>

麻生リハビリテーション大学校

 

【公民館】

春住公民館,東月隈公民館,月隈公民館,姪北公民館,席田公民館,板付公民館,賀茂公民館,舞松原公民館,今宿公民館,愛宕浜公民館,東吉塚公民館,下山門公民館,西戸崎公民館,能古公民館,三筑公民館,千早西公民館,四箇田公民館,香椎下原公民館,香椎東公民館,那珂南公民館,金武公民館,奈良屋公民館,飯倉公民館,多々良公民館

 

 

【法人】

福岡地域労福協・連合福岡地協「労働者福祉研修会」,福岡市立心身障がい福祉センター ありんこ園,難聴特化放課後等デイサービスことのは

 

【その他】

要約筆記きこえのサークル ダンボ,難聴特化放課後等デイサービス スケッチブック,難聴応援し隊,西南学院大学 西南コミュニティセンター主催講座,NPO法人千葉県途失聴者・難聴者中協会,神奈川県聴覚障害者福祉センター,福岡県難聴者・中途失聴者協会,函館中途失聴者・難聴者協会

 

【難聴落語】

東月隈公民館,月隈公民館,奈良屋公民館,板付公民館,今宿公民館,能古公民館,舞松原公民館,三筑公民館,下山門公民館

 

メンバー


代表理事

岩尾 至和(いわお ゆきかず)

 

1973年生まれ。大分県別府市出身。現在、福岡市在住。
1996年に株式会社日立製作所入社。

その後カーレース・非破壊検査業等を経て、

2004年に株式会社日本マンパワーへ営業職として入社。
学生向けキャリア支援・企業研修の企画、運営、スーパーバイジング、講師などを行う。
2009年に独立。企業研修、学生向けキャリア支援講座や個別キャリアカウンセリングなどを行う。

2014年に難聴の娘が生まれ、2017年に難聴の子を持つ家族会 そらいろを立上げ、会長に就任。現在も活動を続けている。

2021年に一般社団法人言葉のかけはしを立ち上げる。

同時期から福岡工業大学にてキャリアカウンセリングも担当。

2024年10月から西日本新聞くらし面において隔週金曜日で、「娘と僕の言葉のかけはし」という難聴児子育てをコラムを連載中。 

 

資格・コンテンツ

ソリューションフォーカス(解決構築)ソリューショニスト

日本キャリア開発協会認定CDA ~キャリアカウンセラー資格~

エンジョイ個育て!講座公認ファシリテーター

 

人物像

~ストレングスファインダー2.0の結果~
•最上志向
•活発性
•コミュニケーション
•親密性
•指令性

岩尾の中身

・ラグビーをやってました。高校のラグビー部では芸も磨きました(笑)

・スキューバダイビング100本ちょっと潜ってます。10年以上ブランク空きましたね・・・

・落語を演ってます!

・ビールとウイスキーとジンが大好きです。ビールはクラフトビールが好きで、中でもIPAとセゾンに目がありません!

 


理事(広報)

河原 美幸(かわはら みゆき)

 

1978年生まれ。沖縄県石垣市出身、現在、福岡市在住。 

 

2001年に慶應義塾大学総合政策学部卒業後、10年以上に渡り株式会社湖池屋、株式会社東ハトなどでマーケティング職に従事。主に広告宣伝・広報を担当する。

 

2017年に難聴の息子(次男)が生まれ、療育・通院などの理由から就労を諦めかけた時、女性の再就労支援を展開する「NPO法人ママワーク研究所」を通じて株式会社ホープに入社。初の在宅勤務(正社員)にて、社長室・広報IR課に在籍する。

 

2019年、療育に注力するため業務委託に切り替え株式会社チカラのライティング業務・同NPOの広報サポートを開始。難聴の子を持つ家族会そらいろに入会、広報活動を開始する。

 

2020年、同NPO・グループ企業であるWorkStep株式会社の広報へ本格的にジョイン。

 

2021年に一般社団法人言葉のかけはしに広報として参画。


設立の背景


2020年に、岩尾が会長を務める難聴の子を持つ家族会そらいろで、難聴啓発動画作成のためのクラウドファンディングを行いました。

 

私には、2021年で小学校1年生になる難聴の娘がいますが、

我が家も家族会のメンバーも、難聴に関する様々な誤解や無理解に実際に遭遇したことがあり、

難聴についての正しい理解を拡げたいと強く思ったからです。

 

有難いことに、多数のご支援をいただき、動画作成費を集めることができました。

2021年 2月から協力いただいた制作会社さんと動画作成に入り、”うたもの”でいこうと決まり、5月にレコーディングを終えました。

非常に素晴らしい動画ができあがりました。

 

7月に完成し、インターネット上で公開しました。

非常に好評をいただき、早速小学校で流して、先生や友達の理解が深まったという声を何件かいただきました。

 

難聴のことを広める土台は整いましたが、

この動画の目的は、広く浅くです。

難聴という存在にまずは気づいてもらい、基本的なコミュニケーションの取り方を知ってもらうことが目的です。

 

そして、学校や職場などでは、もう少し詳しく知らないと起きてしまう誤解もあります。

動画をベースに、もう少しだけ詳しく知ってもらうための活動も必要です。

 

また、2年以上前から、難聴特化の放課後等デイサービスを経営する経営者と、難聴の生徒へ「働くこと」について学ぶ機会が必要だということをお互いずっと話してきました。

 

そして今(2021年)、2018年に起こった大阪府立生野聴覚支援学校前の事故で、重機にはねられて亡くなった当時小学5年生の女の子が聴覚障害を持っていたことを理由に、逸失利益(生涯の収入見込み額)の基礎収入を、聞こえる女性労働者の40パーセントとすべき(理由として聴覚障害者の思考力や言語力・学力は、小学校中学年の水準に留まる)と被告側に主張され、署名運動が起こりました。

 

到底受け入れられることではなく、このような主張を思いつくこと自体が考えられませんが、聴覚障害に対する大きな誤解がまだまだ社会には色濃く残っていることを目の当たりにしました。

 

確かに、聴覚障害を持つ方たちの平均収入は一般よりもかなり低い現状があります。

しかしそれは、聴覚障害のことが理解されてなく、簡単な仕事しか任せてもらえないことが多いために起こっていることです。

 

実際は、昔に比べて早期療育により聴覚を活用できる人も増えていますし、

意思疎通を図るツールも発達してきていますし、

手話も拡がってきています。

 

双方の協力があれば、仕事での意思疎通はかなりできるようになっているにもかかわらず、未だに仕事の選択肢は昔のまま、補助業務などが多くを占める状況です。

補助業務では、当然収入は少なくなります。

 

もちろん、聴覚障害を持つ人自身にも、働く上で至らない点は確かにあるでしょう。

それは、聞こえる人でも同じことで、こういったことは、若いうちから学んでいくことで解決できます。

 

このようなことが重なり、今年こそは、難聴の児童・生徒に対する「働くこと」についての学びを何とか提供したいと考え、協力者の方といろいろと話をしてきました。

 

プログラムはあります。

場所も何とかなりそうです。

しかしながら、運営費が捻出できそうにありません。

 

難聴のことをもう少しだけ知ってもらうための活動も、運営費が捻出できません。

働いている聞こえない人への支援も、調査では、企業側から対価をいただくことが現時点では非常に困難だということがわかりました。

 

それならば、まずは寄付をいただいて運営できないだろうか?

助成金への応募も併せて、運営費を少しずつでも賄えないだろうか?

 

そう考え、一般社団法人を立ち上げる決意をしました。

 

・学校や地域等への難聴の啓発

・聴覚障害を持つ中学生・高校生・大学生へ仕事の夢を拡げるためのキャリア支援

・聴覚障害を持つ人が働く企業への支援

・聴覚障害の子を持つ家族への支援

 

私にできることは、まずはこの4つです。

 

少しずつ、やれることを重ねていき、聞こえない人と聞こえる人が同じ可能性を持って生活できる社会を共に創っていきたいと思っています。

代表メッセージ


代表理事の岩尾です。

 

2014年に、我が家に娘が生まれまして、その娘が難聴でした。

当時は、難聴の方に関わったことが全くなく、

「でも、補聴器をつければ聞こえるんでしょ?問題ないよ」

と思っているぐらいでした。

 

しかし、調べていくうちに、どうもそんな単純な事ではないということがわかってきました。

そして、0歳から療育を始めました。

 

最初は、言われたことをやるだけで精一杯でした。

2歳児クラスの時、ようやく周りが見え始め、わからないことだらけのこの難聴児の療育について、いろいろ考え始め、この頃、難聴の子を持つ家族会そらいろを、同期の保護者と一緒に立ち上げました。

 

おかげさまで、娘は現在、無事小学校に入学することができました。

しかし、このたった7年間の中でも、実際に我が家自身が、難聴に対する無理解に直面してきましたし、家族会のメンバーからも、様々な誤解や無理解を受けていることを相談されることがありました。

 

もちろん、寄り添って話を聞いていただき、理解してくれる方もいらっしゃいます。

しかし、いくら説明してもわかってもらえないことが一定数ありました。

 

「なぜ、わかってもらえる人とわかってもらえない人がいるんだろうか?」

 

こう考えて出てきた一つの答えが、

”世の中では、難聴のことを正しく知っている人が圧倒的に少ないから”

ということでした。

 

これは、知らない人が悪いのではありません。

そもそも難聴のことを発信する機会がほとんどないですし、聞こえないことの影響は多岐に渡りますし、もっと難聴のことを知ってもらう機会を作ることが必要だと考えました。

 

そこで、誰もが気軽に触れることができ、親しみを持って難聴のことを知れる動画を作ろうと、家族会でクラウドファンディングを実施しました。

有難いことに、制作を引き受けてくれる会社が現れ、多くの賛同をいただき、動画を作ることができました。

 

 

また、私は、就職支援の仕事を17年やっており、聴覚障がいを持つ人の就職状況なども調べました。

・給与水準が低い

・補助業務などが多い

・早期離職が多い

などの現状が見えました。

 

そして、福岡県内の企業の方に、難聴の方の雇用ニーズについてのアンケート調査を行いましたが、やはり補助業務が多かったり、コミュニケーションに課題を持っていたり、障害を持つ方の雇用に理解が深い企業でも、聴覚障害のことについては、誤解をされているケースもありました。

 

今では、しっかりと意思疎通をできるツールも多くありますし、補聴器や人工内耳の性能も上がっていますし、早期療育が進んだおかげで、聴覚をうまく活用できたり、読み書きをしっかり学べている聴覚障害を持つ方も増えています。

そして、聴覚障害を持つ人たちは、聞こえづらいがゆえに発達している能力があり、それらは、仕事で大いに発揮できるものなのです。

 

しかしながら、聴覚障害の方に任せることができる仕事は、ほとんどが昔のまま変わっていない現状があります。

その影響か、聴覚障害を持つ方自身も「自分たちにはもっと選択肢がある」ということに気づけていないことが多いように思います。

 

このような状況を変えたいと強く思いました。

 

”聞こえない”状況はもちろん個別に様々です。

しかし、彼ら彼女らは情報量が少なく育っているからか、ものすごく純粋で誠実です。

 

人を気づかう力、観察力にも長けています。

聞こえないからこそのアイディアは、聞こえる人からはなかなか出にくいものです。

 

これらの力を学校や地域、仕事で、もっともっと使っていけるのです。

これらの力を使えば、学校にとっても地域にとっても、会社にとっても大きな利益になりますし、本人たちのやりがいも高まりますし、平均収入だって上がります。

お互いにとって、社会にとって、こんなにいい状態はありません。

 

私は、独立して二度失敗していますし、今は家族もいるので慎重にはなりましたが、

この事業は、今の自分だからこそできることですし、

残りの人生をかけてやりたいと心から思えたことですし、

何より今回は、思いに賛同してくれる同志ができました。

同志と共に、聞こえない人と聞こえる人が同じ可能性を持って生活できる基盤を作っていきます。

 

そして、この事業は、サポーターの方、パートナーの方なしでは継続できません。

共感頂けましたら、ぜひ、あまたの力を貸してください。

よろしくお願いいたします!